MENU
LINE相談受付中!

共同親権とは?

共同親権とは?

共同親権

親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直した民法等改正法が、2026年4月1日に施行されました。今回の改正は、昭和22年の民法等の改正から77年ぶりの見直しをするものです。

共同親権とは、父母の双方がこどもの親権を持っていることをいいます。

これに対して、単独親権とは、父母のいずれか一方だけがこどもの親権者となる制度をいいます。

日本では、これまで、父母が婚姻中である場合には原則として父母が共同して親権を行使し、離婚した場合には父母の一方を親権者とする単独親権制度が採用されていました。

そのため、離婚後に父母の双方が親権を持つ「共同親権」と、父母の一方のみが親権を持つ「単独親権」は、親権制度を理解するうえで重要な対概念となります。

今回の改正によって、離婚後は、共同親権の定めをすることも、単独親権の定めをすることもできるようになりました。

(離婚又は認知の場合の親権者)
第八百十九条 父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。

引用元:民法|e-Gov法令検索

民法等改正法では、従来、女性が未婚でこどもを出産した場合、こどもの出生前に父母が離婚した場合、そして父母の離婚において、一律に単独親権としていたのを変更し、これら父母の婚姻外の場面においても、共同親権か単独親権かを選択することが可能となりました。

親権とは

親権とは、父母がこどもの身の回りの世話や教育を行ったり、こどもの財産を管理したりするために認められる権利・義務のことです。

親権は、子どもの生活や将来に関わる重要な権利・義務であるため、離婚する際には慎重に決める必要があります。

父母が離婚する場合、原則として、父母の双方が親権を持つ「共同親権」と、父母の一方だけが親権を持つ「単独親権」のいずれかを選択することになります。

共同親権を選択しない場合には、父母のどちらが親権者となるのかを決めなければなりません。

親権の内容
  • 身上監護権
  • 財産管理権

身上監護権

身上監護権とは、こどもの教育や世話をしてこどもを育てるための権利義務のことです。

身上監護権には次の内容が含まれます。

監護・教育権こどもの監護・教育をする権利義務(民法820条)
居所指定権こどもの住む場所を決める権利義務(民法822条)
職業許可権こどもの職業を許可、取消、制限する権利義務(民法823条)

財産管理権

財産管理権とは、こどもの財産を管理したり、こどもに代わって契約や手続きをしたりする権利義務のことです。

親権者は、法定代理人としてこどもに代わって法律行為をし、こどもの法律行為に同意を与えることができます。

共同親権下において父母の一方が監護者に指定された場合であっても、監護権を有しない他方親権者の財産管理権は制限されません。

親権者の定め方

協議離婚の場合

父母による協議によって、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

父母の協議が調わない場合・裁判離婚の場合

家庭裁判所が、父母とこどもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮した上で、こどもの利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

家庭裁判所が必ず単独親権の定めをする場合について
  • 虐待のおそれがあると認められるとき
  • DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められるとき

※殴る・蹴る等の身体的な暴力を伴う虐待・DVに限定されません。

※これらの場合以外にも、共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、必ず単独親権の定めをすることとされています。

親権者の変更

離婚後の親権者については、こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所が、こども自身やその親族の請求により、親権者の変更をすることができます。

離婚前の父母間に一方からの暴力等があり、対等な立場での合意形成が困難であったといった場合には、こどもにとって不利益となるおそれがあるため、この手続によって親権者の定めを是正することができます。

「親権者の変更」の場合も、上記表の➊・➋に当てはまるときは、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることになります。

親権者変更の3タイプ
  • 一方の単独親権(母) ➡ 他方の単独親権(父)
  • 一方の単独親権(母) ➡ 共同親権(母・父)
  • 共同親権(母・父) ➡ 単独親権(母 or 父)

いずれの場合においても、親権者変更は当事者間の協議によって行うことはできず、子の利益に従って家庭裁判所の審判によらなければなりません。

親権者変更に際する家庭裁判所の判断基準

民法等改正法では、親権者変更に際する家庭裁判所の判断基準が明文化されました(民法819条8項)。

  • 当該協議の経過

父母間の暴力等の有無、家事調停の有無、または裁判外紛争解決手続の利用の有無、協議の結果についての公正証書の作成の有無、その他の事情も勘案することとされています。

  • その後の事情の変更

当初の協議で共同親権または単独親権に合意していた場合は、主観的な事情の変化等では事情の変更があったとは認められません。

  • その他の事情

民法等改正法によって、子も親権者変更の申立権者に加えられました。

親権の行使方法

共同親権である場合の親権の行使方法のルール

①親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。

②次のような場合は、親権の単独行使ができます。
 🔷監護及び教育に関する日常の行為をするとき
 🔷こどもの利益のため急迫の事情があるとき

➂特定の事項について、家庭裁判所の手続で親権行使者を定めることができます。

監護及び教育に関する日常の行為

監護及び教育に関する日常の行為」とは、日々の生活の中で生ずる身上監護に関する行為で、子に対して重大な影響を与えないものをいいます。

父母は、その双方が親権者であるときであっても、「監護及び教育に関する日常の行為」に係る親権の行使を単独ですることができます。

日常の行為に当たる例
(
単独行使可)
日常の行為に当たらない例
(共同行使)
・服装や食事の決定
・短期間の観光目的での旅行
・心身に重大な影響を与えない医療行為の決定
・通常のワクチン接種
・アルバイトの許可
・こどもの転居
・進路に影響する進学先の決定
・心身に重大な影響を与える医療行為の決定
・財産の管理(預金口座の開設など)

こどもの利益のため急迫の事情があるとき

こどもの利益のため急迫の事情があるとき」とは、「父母の協議や家庭裁判所の手続を経ていては、適時に親権を行使することができず、その結果として、こどもの利益を害するおそれがあるような場合」をいいます。

父母双方が親権者であるとしても、「こどもの利益のため急迫の事情があるとき」は、日常の行為にあたらないものについても、父母の一方が単独で親権を行うことができます。

こどもの利益のため急迫の事情があるとき
  • DV・虐待からの避難(こどもの転居などを含む)をする必要がある場合
  • こどもに緊急の医療行為を受けさせる必要がある場合
  • 入学試験の結果発表後に入学手続の期限が迫っているような場合

よくある質問

今回の改正前に離婚して、既に単独親権の定めがされていますが、改正法の施行により共同親権に変更されることになるのでしょうか。

既に離婚して単独親権の定めをしている場合には、今回の改正法の施行によって自動的に共同親権に変更されることはありません。

ただし、改正法の施行後に、家庭裁判所が、こども自身やその親族の申立てに基づいて、こどもの利益のための必要性を踏まえて、親権者を単独親権から共同親権に変更する場合があります。虐待・DVのおそれがあるときや、父母が共同して親権を行うことが困難であるときは、共同親権への変更は認められません。

私たちは婚姻届を出していないのですが、父が認知したこどもがいます。この場合、父母双方が親権者になることはできるのでしょうか。

今回の改正により、父が認知をしたこどもについても、父母の協議により、父母双方を親権者とすることができようになります。