結婚契約(婚前契約)
結婚契約とは
結婚契約(婚前契約)を結ぶ理由としては、「結婚条件を取り決めておきたい」場合や離婚時の紛争を防ぐ目的として「夫婦間のトラブル予防をしておきたい」などがあり、離婚率の増加を背景とした結婚契約の必要性は増しているように感じます。
夫婦間財産の帰属については、民法に定めがあります。
【法定財産制】
① 婚姻費用の分担
② 日常の家事に関する債務の連帯責任
③ 夫婦間における財産の帰属
夫婦間で上記と異なる財産関係の取り決めをしておきたい場合には、結婚する前に夫婦財産契約を結んでおく必要があります。
結婚契約の例
結婚契約を結ぶ例としては、次のようなケースが考えられます。
- 再婚なので、新たな結婚生活で同じミスを犯さないように取り決めておきたい。
- 夫の不倫(浮気)が原因で離婚の危機となった。この危機を乗り越えて夫婦として再出発をするに当たり、誓約事項を決めて今後のトラブルを防ぎたい。
- 熟年婚となるため、夫の子どもが若い後妻に警戒心を抱いている。取り決めた内容を契約書として示すことで安心させたい。
ガイドライン等の作成
結婚契約書には、誓約事項や違反したらペナルティが生じる内容のようなものだけではなく、次のような夫婦の将来を計画するガイドラインや目標についても記載されることをご検討ください。
・夫婦の将来像
・住まいの場所
・子どもの人数、教育方針
・働き方、家事の分担
・食生活などの健康習慣
夫婦別居契約
別居の際に契約が必要となる理由
民法には、「夫婦間における同居等の義務」が定められています。
ですから、夫婦のどちらかが勝手に家を出て行ったり、相手を追い出したりすることは、この義務違反として離婚時に不利になる可能性があります。
(同居、協力及び扶助の義務)
引用元:民法 | e-Gov法令検索
第七百五十二条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。
実際の離婚トラブルでも、「別居に至った経緯」について夫婦間で認識がまったく異なるというケースがよく見られます。
別居後の生活をスムーズにして、復縁(別居解消)や離婚をする際にトラブルにならないためにも、別居開始時に夫婦間で取決めをしておくことをぜひお勧めします。
相手からDVを受けている場合や、別居を切り出すことで相手が逆上しそうな場合などでは、別居の事実を先行したほうがよい場合も考えられますので、状況に応じてよくご検討ください。
婚姻費用の分担
離婚の場合と大きく異なる点として、夫婦のどちらか一方に婚姻費用分担義務が生じることが挙げられます。
(婚姻費用の分担)
引用元:民法 | e-Gov法令検索
第七百六十条 夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。
夫婦間の扶養義務として、収入の多いほうの配偶者が少ないほうの配偶者に対して相応の生活費を支払わなければならないとの意味です。なお、生活費の具体的な金額は、当事者間で合意できればどのように定めることも可能です。
別居後に相手が支払ってくれない場合は、すみやかに請求しましょう。
メール、電話などで請求します。
STEP1で請求したにもかかわらず支払わないときは、内容証明郵便を送って請求します。
請求しても相手が支払ってくれないなどの場合は、家庭裁判所に婚姻費用分担請求調停を申し立てます。
話し合いがまとまらず調停が不成立になった場合は、自動的に審判に移行します。審判では、裁判官が分担額を決定します。
婚姻費用を請求するときに多く利用されているのが内容証明郵便です。
「いつ、どのような内容の文書を、誰から誰に出したか」を日本郵便が証明する制度です。文書にどのようなことが書かれていたかが証明されるため、「請求した」「請求されていない」というトラブルを防止することが可能です。
内容証明郵便については、次のページをご覧ください。

別居時に婚姻費用について合意ができない場合、あとから家庭裁判所に婚姻費用分担の調停・審判を申し立てることもできますが、この場合、別居時にさかのぼって支払いが命じられるわけではなく、申立て時以降の分についてのみとなります。
別居契約の例
別居契約を結ぶ例としては、次のようなケースが考えられます。
- 夫のDVが収まらないため、妻が子どもを連れて家を出ることに決めた。
- 義母との不仲が原因で妻が精神的に不安定になり、子どもを残して妻が単身で実家に帰ることになった。
- 一旦別居し、お互い冷静になって離婚について考えるための期間をおくことにした。
別居解消
別居を解消する事由は、同居の再開と離婚が考えられます。
同居を再開する場合には、今回の別居に至ったような事態の再発防止のために、誓約書を用意することを検討されてもよいでしょう。
離婚を選択する場合には、離婚条件について記載した離婚協議書や離婚公正証書の作成を強くお勧めします!
別居契約書で取り決めた内容が参考になる場合もありますので、別居を解消された場合であっても別居契約書は保管しておきましょう。
離婚契約
離婚契約とは、夫婦関係を清算するための取決めです。夫婦によって清算すべき事項は様々ですが、必ず検討したほうがよい条項もあります。
離婚協議書・離婚公正証書作成については、以下のページをご覧ください。

パートナー契約
事実婚(内縁)
事実婚とは、法的な婚姻はしていないものの、それと同視できるような実態を持つ関係をいい、「内縁」とも呼ばれています。
事実婚として、不貞行為による慰謝料、年金受給権、死亡退職金などについて法的保護を受けるためには、次のような要件をできる限り多く満たすことが必要となります。
- 長期間の同居
- 家計が1つである
- 当事者間に子どもが生まれ、父親が認知している
- 同一の姓を名乗るなど、夫婦として周知されている
- 「事実婚契約書」を取り交わしている
- 住居の賃貸借契約の締結時に内縁の配偶者として記載している、など
事実婚として一定の法的保護が受けられるとしても、現実として、相続などにおいて法律婚とは隔たりがあります。
行政書士事実婚は、どこまでいっても法律婚の場合とまったく同様にはなれないということを押さえておきましょう。
- 夫婦別姓でいたい
- 同性同士である
- 家族が反対しているので今すぐは結婚できない
- いざというときにお互いが困らないよう、ある程度の取決めはしておきたい
同性婚
同性婚とは、法律上の性別が同じ二人が法的な婚姻関係を結ぶことをいいます。
現時点において日本では法的に認められていません。
平成27年に渋谷区において、同性同士の「パートナーシップ条例」が制定されており、それ以降、各地方公共団体で相次いで類似の条例が制定されています。(渋谷区パートナーシップ証明)
これは「渋谷区では同性婚が法的に認められた」というわけではありません。民法などとは関係なく、その地方公共団体の中だけで通用する証明書や特典が与えられたにすぎず、その要件や効果は地方公共団体によって様々です。