告訴・告発
告訴・告発制度
告訴とは
犯罪の被害者その他一定の者(被害者の親権者、相続人など)が、捜査機関に対して犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。
告発とは
告訴を行う権限がある者又は犯人以外の第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告して犯人の処罰を求める意思表示をいいます。
日本の刑事訴訟法では、犯罪の捜査は警察官や検察官が行い、捜査した結果、犯人を起訴するか否かは検察官が決めることとなっています。ただし、一定の犯罪(名誉毀損罪など。)に関しては親告罪の制度を設け、被害者の意思を重視し、告訴がなければ犯人を起訴できないこととしました。
親告罪以外の犯罪が行われた場合にも、その被害者やその近親者などに、捜査機関に対して犯人を処罰するよう求める権利を与え、「犯人の処罰」について犯罪被害者などの意思を反映させようとすることは、犯罪の抑止や犯罪被害者の保護にとって重大な意味を持ちます。そのため、すべての犯罪についても犯罪被害者などが告訴できると定められました。
第二百三十条 犯罪により害を被つた者は、告訴をすることができる。
引用元:刑事訴訟法|e-Gov法令検索
刑事訴訟法は、230条~244条、及び260条、261条において「告訴」及び「告発」をする権利者、権利行使の期間、効力の範囲、方式、受理機関、受理した捜査機関の義務、告訴人が持つ権利などの一般的なルールを定めています。
告訴と告発の違い
告訴と告発とは、行使する主体が異なるという形式面における違いがあります。
告訴の主体は、「犯罪の被害者」あるいは「その法定代理人等」に限定されています。しかし、告発の主体にはこのような限定がありません。
告発は、告訴権者及び犯人以外の第三者であれば、「何人でも、犯罪があると思料するとき」は、これをすることができます。(刑訴法239条1項)
なお、公務員は、「その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」(刑訴法239条2項)とされています。
対象となる犯罪が「親告罪」の場合には、告訴と告発とでは効果に重要な違いがあります。
親告罪では、告訴がなければ検察官はその犯罪を起訴できませんので、たとえ同じ犯罪について第三者からの告発があっても、告訴権者からの告訴がない限り、検察官は起訴できません。
告訴権者
告訴権者となる者の範囲は、刑事訴訟法230条~234条において規定されています。
- 被害者(刑訴法230条)
- 被害者の法定代理人(刑訴法231条)
- 被害者が死亡した場合、その配偶者、直系親族、兄弟姉妹(刑訴法231条2項)
- 被害者の法定代理人が被疑者あるいはその配偶者等である場合、被害者の親族(刑訴法232条)
- 死者の名誉を毀損した場合、死者の親族・子孫
親告罪
親告罪とは、告訴がないと検察官が公訴を提起できない犯罪のことです。
親告罪においては、犯罪の成立が明らかであっても告訴がなければ検察官は起訴できません。万一この点を見過ごして検察官が公訴を提起した場合、その公訴は無効とされ、裁判所は審理を行わず公訴は棄却となり、訴訟が打ち切られることになります。(刑訴法338条4号)
絶対的親告罪とは、被害者からの告訴があることが公訴を提起するための条件となっている犯罪のことです。
- 名誉毀損罪、侮辱罪
- 器物損壊罪、信書隠匿罪
- 信書開封罪、秘密漏示罪
- 過失傷害罪
- 未成年者略取・誘拐罪
- 私用文書等毀棄罪
相対的親告罪とは、被害者と加害者が親族関係にあるなど一定の関係がある場合に、告訴があることが公訴を提起するための条件となっている犯罪のことです。
- 窃盗罪、不動産侵奪罪
- 詐欺罪・電子計算機使用詐欺罪・背任罪・準詐欺罪・恐喝罪
- 横領罪・業務上横領罪・遺失物等横領罪
親告罪の告訴期間
非親告罪については、このような告訴期間の制限はないため、その犯罪の公訴時効期間(刑訴法250条)が経過していない限り、いつでも告訴をすることができます。
犯人を知った日から6か月経過後の告訴は無効となります。
被害の事実を知った日から6か月を計算するのではありません。ただし、犯罪の継続中に告訴権者が犯人を知り、その後に犯罪が終了した場合には、犯罪終了の日からこの6か月を計算するとされています。
インターネット上の名誉毀損罪について、名誉を毀損する記事が削除されないまま閲覧可能な状態にあれば、被害発生の抽象的危機が維持されているため、この間に告訴権者が犯人を知ったとしても、その日をもって告訴期間の起算日とされることはない、とした判例があります。
「犯人を知った」の意味について、判例の傾向では、犯人の住所、氏名等の詳細を知る必要はないが、犯人の特定性を明確に識別して、少なくとも犯人を他の者と区別して指摘できる程度の認識を必要とし、かつ、それをもって「犯人を知った」といえるとしています。
一方で、単に人相、着衣等を知ったにとどまり、どこの誰だかわからない程度では、いまだ犯人を知ったとはいえないとする判例もあります。
告訴状の基本的な記載事項
告訴権者は「犯罪により害を被つた者」など一定の者に限られるため、告訴権者として誰を表示するかは重要です。
告訴の対象となる犯罪事実について犯人とされる者を被告訴人として記載します。
記載された事実があまりに抽象的であったり、記載された事実がそもそも犯罪に該当しない場合は、犯罪事実の申告があったとはいえません。
犯罪事実を記載するにあたっては、犯罪行為を特定する要素について、できるだけ具体的かつ客観的に記載することが望ましいです。
速やかな受理と捜査を促す意味において、告訴人が有する情報は当初より捜査機関に提供しておくことが望ましいです。❸の犯罪事実の記載とは項を分けたうえで、犯罪の背景事情や経緯などを詳細に記載します。
告訴状には、その記載内容中に、犯人の処罰を求める旨の意思を表示しなければなりません。処罰意思の表示されていない被害届などは告訴には当たりません。
犯罪事実が起こったことを立証する資料としてどのようなものがあるかを記載します。(例:診断書など)
告訴状を提出する捜査機関を表示します。(例:「○○警察署長殿」)
料 金(税込)
| 告訴状作成 | 50,000円~ |
| ※ 被害届・告発状の作成も可能です。詳しくはお気軽にお問い合わせください。 | |
