香川県高松市の行政書士やまもとです。
離婚を考えている皆様は、【養育費】の相場や未払いの時の対処法についてご存じでしょうか。
厚生労働省の調査によれば、約7割の「ひとり親家庭」が養育費を支払われていない状況が報告されています!
令和3年度の母子家庭は約120万世帯、父子世帯は約15万世帯となっており、
【養育費】の取り決め状況は、約過半数が「取り決めをしていない」状況となっています。(※ 令和3年度の調査結果は推計値)
※ 「協議離婚」では、その他離婚方法と比較して、【養育費】の「取り決めをしている」割合が低くなっているとの調査結果もでています。
離婚協議書を作らなかったから、養育費を払ってくれるか心配…。
本記事では、「養育費」、「養育費の相場」や「養育費の未払いの対処法」について書いてみました。
養育費とは
【養育費】とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。
一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味します。
養育費に含まれるもの
子どもの「生活費」、「教育費」、「医療費」、「交通費」、「娯楽費」、「お小遣い」。
子どもを監護している一方の親は、他方の親から【養育費】を受け取ることができます。
※ 離婚によって親権者でなくなった親であっても、子どもの親であることに変わりはありませんから、親として【養育費】の支払義務を負います!
養育費の負担義務
【養育費】には、子どもの生活費や教育費など、子育てに関する費用のすべてが含まれます。
父親と母親は、お互いの経済力に応じて養育費を負担する義務があります!
「親権」を取らなかったとしても、【養育費】の分担は拒否できません!
【養育費】を支払う期間は、一般的には、
「子供が成人するまで」OR「大学を卒業するまで」
とすることが多いですが、「双方話し合いで決める」場合もあります。
支払う期間が長期にわたりますが、その間、支払い義務者(父親)が病気、怪我などの事情により経済的余裕がなくなることがあっても、【養育費】を支払う義務がなくなることはありません!
養育費の相場
裁判所が作成した算定表によれば、
< 子供が1人のときで、0~14歳、母親の年収が100万円の場合 >は、以下の表のとおりとなります。
子供1人 0~14歳 権利者(母親)年収100万 | |
---|---|
0~125万円 | 0~1万円 |
125~200万円 | 1~2万円 |
200~375万円 | 2~4万円 |
375~550万円 | 4~6万円 |
550~700万円 | 6~8万円 |
700~875万円 | 8~10万円 |
875~1050万円 | 10~12万円 |
1050~1200万円 | 12~14万円 |
1200~1400万円 | 14~16万円 |
1400~1600万円 | 16~18万円 |
1600~1775万円 | 18~20万円 |
1775~1925万円 | 20~22万円 |
▲義務者(父親)の年収 | ▲養育費の基準 |
< 子供が2人のときで、0~14歳、母親の年収が100万円の場合 >は、以下の表のとおりとなります。
子供2人 0~14歳 権利者(母親)年収100万 | |
---|---|
0~75万円 | 0~1万円 |
75~150万円 | 1~2万円 |
150~275万円 | 2~4万円 |
275~400万円 | 4~6万円 |
400~500万円 | 6~8万円 |
500~625万円 | 8~10万円 |
625~750万円 | 8~10万円 |
750~850万円 | 12~14万円 |
850~975万円 | 14~16万円 |
975~1075万円 | 16~18万円 |
1075~1200万円 | 18~20万円 |
1200~1300万円 | 20~22万円 |
1300~1450万円 | 22~24万円 |
▲義務者(父親)の年収 | ▲養育費の基準 |
養育費の取り決め
実は、【養育費】の金額や支払い条件については法律的な決まりがないのです。
ですから、子どもの母親父親が話し合って決めることになります。
実際の話し合いの際には、養育費の「金額」だけではなく、
「支払い期間」、「支払い方法」、「支払日」についても具体的に決めておく必要があります。
なぜなら、具体的に決めておかないと、支払いが滞った時、法律の手続き上、強制的に支払わせることが難しくなってしまうからです。
取り決めた内容は、必ず「公正証書」にしておきましょう!
養育費の未払いの対処法
【養育費】の支払いが滞ったときは、まずは「催促」をします!
それでも支払われないときには、「法的手段」をとることになります。
まずは、元配偶者に連絡をして事情を聞き、支払いを求めることからスタートしましょう。
支払われない場合には、「内容証明郵便」を送って請求します。
STEP2でも支払いがないときには、裁判所で手続きをして「法的手段」をとることになります。
離婚後、【養育費】の支払いが滞り、上記のSTEPのようなことをしなくてはならなくなることは、大変煩わしいことです。
このような事態を回避するために、
「協議離婚」であれば、強制執行の効力を持たせた「公正証書」を作成しておきましょう!
まとめ
◆【養育費】とは、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用のこと。
◆【養育費】に含まれるものは、子どもの「生活費」、「教育費」、「医療費」、「交通費」、「娯楽費」、「お小遣い」など。
◆ 母親と父親は、お互いの経済力に応じて養育費を負担する義務がある!
◆【養育費】の金額や支払い条件については法律的な決まりはないので、母親と父親が話し合って決める。
◆【養育費】の金額は、母親・父親の年収や生活レベルによって異なる。
◆【養育費】の相場は、裁判所が作成した「算定表」に、年収やお子様の年齢を当てはめることで、算出可能。
◆【養育費】の支払いが滞ったときは、
①「催促」
②「内容証明郵便」で請求
③ ②でも支払わないときは、「法的手段」
※ ↑のようなことにならないように、口約束ではなく、【養育費】についての取り決めを強制執行の効力を持たせた「公正証書」にしておきましょう!
当事務所は、離婚協議書や養育費の公正証書をお考えの方のサポートをしております。「未払いの養育費支払い請求」も対応しております。
お悩みの方は、ぜひご連絡ください。