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養育費の相場と未払いの時の回収方法とは?

養育費の支払い
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香川県高松市の行政書士やまもとです。

離婚を考えている皆様は、養育費の相場未払いの時の対処法についてご存じでしょうか。

厚生労働省の調査によれば、約7割ひとり親家庭養育費を支払われていない状況が報告されています

令和3年度の母子家庭は約120万世帯、父子世帯は約15万世帯となっており、

養育費の取り決め状況は、約過半数取り決めをしていない状況となっています。(※ 令和3年度の調査結果は推計値)

協議離婚では、その他離婚方法と比較して、養育費の取り決めをしている割合が低くなっているとの調査結果もでています。

離婚協議書を作らなかったから、養育費を払ってくれるか心配…。

本記事では、養育費、養育費の相場や養育費の未払いの対処法について書いてみました。

目次

養育費とは

養育費とは、子どもの監護や教育のために必要な費用のことをいいます。

一般的には、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用を意味します。

法定養育費

民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)は、2026年4月1日に施行されました。

これまでの民法では、父母の協議や家庭裁判所の手続により養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求することができませんでした。

今回の改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は、他方に対して、「暫定的に一定額の養育費法定養育費)」を請求することができるようになりました。

民法改正については次の記事で解説していますのでぜひご覧ください。

法定養育費とは?
  • 2026年4月1日以降に離婚し、
  • 養育費の取決めをしていない場合
  • 離婚時から引き続いて子どもを主として監護している親が、
  • もう一方の親に請求できる養育費のこと。

※養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものです。
※子一人当たり月額2万円です。
※この金額は、父母の収入等とは関係ありません。

暫定的な養育費は、いつから発生するのでしょうか。

離婚の日から発生します。

支払義務を負う父母は、毎月末に、その月の分の暫定的な養育費を支払う必要があります。

暫定的な養育費は、いつまで発生し続けるのでしょうか。

次のいずれか早い日まで発生し続けます。

① 父母が養育費の取決めをした日
② 家庭裁判所における養育費の審判が確定した日
➂ こどもが18歳に達した日

離婚後にこどもと離れて暮らす親ですが、十分な収入がなく困窮しています。この場合でも暫定的な養育費の支払をしなければならないのでしょうか。

暫定的な養育費の請求を受けた者は、「支払能力を欠くためにその支払をすることができないこと」や「その支払をすることによって自らの生活が著しく窮迫すること」を証明したときは、その全部又は一部の支払を拒むことができます。

こどもと離れて暮らす親の収入が乏しい場合には、父母の協議により、暫定的な養育費の額よりも低額の養育費を取り決めることもできます。

今回の改正法施工前に離婚しましたが、暫定的な養育費は発生するのでしょうか。

発生しません。

暫定的な養育費は、改正法施工後に離婚した場合のみに適用されます。

養育費に含まれるもの

子どもの「生活費」、「教育費」、「医療費」、「交通費」、「娯楽費」、「お小遣い」。

養育費の負担義務

養育費には、子どもの生活費や教育費など、子育てに関する費用のすべてが含まれます。

父親と母親は、お互いの経済力に応じて養育費を負担する義務があります。

親権を取らなかったとしても、養育費の分担は拒否できません。

養育費を支払う期間は、一般的には、

「子供が成人するまで」または「大学を卒業するまで」

とすることが多いですが、双方話し合いで決める場合もあります。

行政書士

支払う期間が長期にわたりますが、その間、支払い義務者(父親)が病気、怪我などの事情により経済的余裕がなくなることがあっても、養育費を支払う義務がなくなることはありません。

娘の学費を心配する母親

養育費の相場

裁判所が作成した算定表によれば、

子供が1人のときで、0~14歳、母親の年収が100万円の場合 >は、以下の表のとおりとなります。

子供1人 0~14歳 権利者(母親)年収100万
0~125万円0~1万円
125~200万円1~2万円
200~375万円2~4万円
375~550万円4~6万円
550~700万円6~8万円
700~875万円8~10万円
875~1050万円10~12万円
1050~1200万円12~14万円
1200~1400万円14~16万円
1400~1600万円16~18万円
1600~1775万円18~20万円
1775~1925万円20~22万円
▲義務者(父親)の年収▲養育費の基準

子供が2人のときで、0~14歳、母親の年収が100万円の場合 >は、以下の表のとおりとなります。

子供2人 0~14歳 権利者(母親)年収100万
0~75万円0~1万円
75~150万円1~2万円
150~275万円2~4万円
275~400万円4~6万円
400~500万円6~8万円
500~625万円8~10万円
625~750万円8~10万円
750~850万円12~14万円
850~975万円14~16万円
975~1075万円16~18万円
1075~1200万円18~20万円
1200~1300万円20~22万円
1300~1450万円22~24万円
▲義務者(父親)の年収▲養育費の基準

調停裁判では、「算定表」をもとに養育費の金額を判断します。

養育費の取り決め

実は、養育費の金額や支払い条件については法律的な決まりがないのです。

ですから、子どもの母親父親が話し合って決めることになります。

実際の話し合いの際には、養育費の「金額」だけではなく、

支払い期間支払い方法支払日についても具体的に決めておく必要があります。

これまでの民法では、「父母の協議」や「家庭裁判所の手続」により養育費の額を取り決めなければ、養育費を請求することができませんでした。

民法改正により、離婚のときに養育費の取決めをしていなくても、離婚のときから引き続きこどもの監護を主として行う父母は、他方に対して、「暫定的に一定額の養育費」を請求することができるようになります。

子一人当たり月額2万円。

また、この暫定的な養育費の支払がされないときは、差押えの手続を申し立てることができます。なお、改正法の施行後に離婚した場合に、この暫定的な養育費を請求することができます。

この「暫定的な養育費制度」は、あくまでも養育費の取決めをするまでの暫定的・補充的なものとなります。

こどもの健やかな成長を支えるためには、「父母の協議」や「家庭裁判所の手続」により、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをすることが重要です。

養育費の回収方法

これまでの民法では、父母間で養育費の支払を取り決めていたとしても、養育費の支払がなかったときに養育費の支払義務を負う親の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書、審判書などの「債務名義」が必要でした。

しかし、今回の民法改正により、養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与されたため、債務名義がなくても、養育費の取決めの際に、父母の私的な取決めで作成した文書(合意書など)に基づいて、差押えの手続を申し立てることができるようになりました。

なお、民法等改正法の施行後(2026年4月1日以降)に生ずる養育費に限って先取特権が付与されます。

また、養育費の取決めがない場合であっても、暫定的な養育費(法定養育費)を請求することができるようになりました

この暫定的な養育費の支払がされないときには、差押えの手続を申し立てることができます。

法定養育費の回収

元配偶者に法定養育費を強制的に支払ってもらうには、どのうような手続を行ったらよいのですか?

地方裁判所に差押命令を申し立てて、元配偶者の財産を差し押さえる手続があります。

法定養育費の存在を証明する文書(戸籍謄本および世帯全員の住民票)を提出して、差押命令の申立てをすることができます。

元配偶者には借金があるのですが、この場合でも差押命令の手続で養育費を回収できますか?

法定養育費は、基本的に、他の債権者に優先して回収できます。

※養育費の債権者が他にいた場合などは、優先して回収できないこともあります。

元配偶者の給与を差し押さえたいのですが、現在の勤務先が分かりません。このような場合は、どうしたらよいでしょうか。

財産開示手続(元配偶者に裁判所への出頭を求め、財産状況を開示させる手続)を利用することが考えられます。

2026年4月1日以降、法定養育費に基づき財産開示手続などを申し立て、手続で勤務先が開示された場合、その給与の差押命令の手続に進みます。(ワンストップ執行手続)

当事者間で取り決めた養育費の回収

2025年に養育費を取り決めて離婚したのですが、元配偶者が2026年1月以降、養育費を支払ってくれません。裁判所の手続で、養育費を強制的に支払ってもらう方法はありますか?

父母間で作成した合意書で養育費の取決めをした場合でも、その内容が養育費の存在を証明する文書といえるものであれば、これを裁判所に提出する方法により、差押命令の申立てをすることができます。

なお、合意書以外の提出書類は、事案ごとに異なります。

2026年1月分以降の養育費を支払ってもらっていないのですが、この全額について回収できますか?

父母間で作成した合意書で差押命令の申立てができるのは、2026年4月1日以降に発生した養育費について、子どもの数に月8万円をかけた額が上限となります。

そのため、裁判所や公証役場で作成した合意書でない場合は、2026年3月分までの養育費の差押命令を申し立てることはできません。

父母間で作成した合意書で1人当たり月6万円と取り決めていた場合で、子どもが2人のときには、2026年4月から現在までの間の月12万円の養育費については、当該合意書で差押命令を申し立てることができます。

元配偶者には借金があるのですが、この場合でも上記手続で養育費を回収できますか?

2026年4月1日以降に発生した養育費について、子どもの数に月8万円をかけた額の範囲で、父母間で作成した合意書に基づいて差押えをする場合には、養育費債権者が他の債権者に優先します。

※養育費の債権者が他にいた場合などは、優先して回収できないこともあります。

元配偶者の財産で差し押さえられそうなものが分からない場合で、現在の勤務先も分からない場合は、どうしたらよいでしょうか?

財産開示手続(元配偶者に裁判所への出頭を求め、財産状況を開示させる手続)を利用することが考えられます。

2026年4月1日以降、定期的に支払われる方式の養育費に基づき財産開示手続などを申し立て、手続で勤務先が開示された場合、その給与の差押命令の手続に進みます。(ワンストップ執行手続)

まとめ

まとめ
  • 養育費とは、子どもが経済的・社会的に自立するまでに要する費用のこと。
  • 養育費に含まれるものは、子どもの生活費、教育費、医療費、交通費、娯楽費、お小遣いなど。
  • 母親と父親は、養育費を負担する義務がある。
  • 養育費の金額や支払い条件については法律的な決まりはないので、母親と父親が話し合って決める。
  • 暫定的に請求することができる養育費(法定養育費)は、子一人当たり月額2万円。
  • 養育費の相場は、裁判所が作成した「算定表」に、年収やお子様の年齢を当てはめることで、算出可能。
  • 債務名義がなくても、父母の私的な取決めで作成した合意書に基づき差押えが可能。(2026年4月1日以降に発生した養育費について、子どもの数に月8万円をかけた額の範囲内)
行政書士

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